エロゲ雑記帳

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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…9
絵…6
エロ…5
音楽…8
システム・演出…8
総評…8

【感想】
莉都ゲー、莉都ゲーと言われてるけど正にその通りだった。このゲームは莉都無くしては物語が成り立たないといった所ですか。とにかく莉都に偏重している。核となる話は莉都ルートに集約されているし、他のキャラのルートも莉都ルートを進める為の布石になっている。
シナリオは結構良い感じだったと思っています。黄昏のシンセミアと同様、テンポが良く、サクサクと進められました。特に進矢と莉都の掛け合いが面白かった。個人的にはこの二人はコンビという意味では黄昏のシンセミアの孝介さんとさくやよりも上なんじゃないかと思います。二人の距離感と信頼がこの上なく感じられたし。後、黄昏のシンセミアでも思ったけど、このライターは敢えてテンプレ的な展開を外してきてるな。風呂やトイレとか覗いた時でも怒りはするけど変な悲鳴とか上げたりはしないし。それから、この作品は結構伝奇的な内容が多くて良かった。特に莉都ルートは玉依の儀式とそれに関わる玉依姫、そもそもの原因である土地の歪み等、結構伝奇寄りの内容となっており、伝奇好きとしてもそれなりに楽しめた。まあ、欲を言うならば玉依の儀式や土地の歪み等の部分をもう少し詳しく書いて欲しかったかなーというのはありますが。黄昏のシンセミアと比べるとこっちの方がより伝奇的な感じですね。描写もこちらの方がより生々しかったし。
キャラも結構良かった。全キャラ、それなりにまともなキャラばかりだったからストレスを感じることもなく進められたし。全キャラがそれなりにまともな作品って意外に少ないんですよね。そういう意味では貴重なゲームでした。主人公の進矢さんは孝介さんと負けず劣らずの変態っぷりで良かった。特に莉都ルートで怪我してるのに二回もやっちゃうとか、莉都と二人きりの絶望的な状況なのにパンツ見ただけで元気になるとか流石だと思った。まあ、やる時はやる主人公なんでその辺は好感をもちましたが。ヒロインの中だと一番気に入ったのはやはり莉都だな。上に書いたように掛け合いが良かったというか主人公にだけ気を許している所が良かった。他もそれなりに立っていて無駄なキャラが居なかったのが良かったな。何人か下手をすればテンプレになりそうなキャラがいたけど、見せ方が上手いのか全然そんな印象にはならなかったし。
絵は黄昏のシンセミアと比べると流石にちょっと未成熟な部分が目立ちますね。特に立ち絵がな。正面はまだいいが、斜め方向が微妙すぎ。白雪と小夜璃なんて立ち絵とCGで落差ありすぎだし。正直、CGも一部はどうかと思うんだが、立ち絵と比べたらマシじゃないかと。
エロシーンに関しては、各キャラ二回ずつありますがちょっと淡白だったかなというのが正直な所。特に前戯は短い。最初の頃なんて前戯終わって本番行く時にえ、もう？って思ってしまったし。何か前戯が短すぎて本番ばっかりやってた印象が強い。
音楽はやはり良いですね。印象に残る曲も多いけど、BGMだと朝日が一番良かったかな。最初のスタッフロールが出るところでかかる曲だから妙に印象に残っている。後、今作は学園モノだからか割と明るい曲も多くて良かった。ボーカル曲だとやはり「輝いたまま」が一番か。莉都ルートでタマとの別れの所でかかるから印象深い曲になっている。
システム・演出は結構使いやすかったですね。やはりフローチャートは良いな。黄昏のシンセミアと比べると未成熟な部分もあるけど、見たい時に好きな場所に飛べるから便利。設定資料集によるとこのフローチャートが搭載されたのは本作が初だそうだが、出た当時は結構斬新なシステムだったんじゃないかと思います。
黄昏のシンセミアをやって、メーカーの過去作に興味を持ったのでやってみたんですが割と満足できました。やはり、このライターのシナリオは良いな。文章がしっかりとしているから簡単にのめり込める。コンチェルトノートと黄昏のシンセミアを比べてみると色々と成長した部分も見えてきて面白いですね。