エロゲ雑記帳

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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…8
エロ…7
音楽…9
システム・演出…8
総評…8

【感想】
まず、シナリオについて。何とも評価が難しいというか。少なくともこれは賛否両論別れるのもやむなしと言える作品では有るかな。彩音・ゆい・凜香の3人がキャラ及び雰囲気重視の展開だったのに対して星奏だけメッセージ性の強い展開となっているので何ともチグハグ感が漂う。個人的には星奏ルートの展開は個性的で有りかなと思ったが、随分と変化球投げてきたなという印象だった。少なくとも公式のコンセプトからはこの展開は予想しづらい。ある種のリアルな恋愛要素を敢えて入れたのはライターからのメッセージとも受け取れるが、どうにも描写不足な感じは否めない。もっと言えば、星奏というキャラにそこまで入れ込めなかったというのが大きいか。というのも、作中では彼女の音楽に対する真摯な姿勢があまり見えてこなかった。星奏自身の音楽的要素がほぼ過去回想のみで済まされていて現在の部分であまり描写されてなかったのはちょっと悪手だったかなと思う。星奏が作曲を諦めていない、或いは再び音楽の世界に戻りたいという意欲を感じさせるような描写が有ればもっと感情移入出来てたんですが。星奏視点を敢えて入れなかった意図は分かるんですが、主人公視点でももうちょっとやりようは有ったんじゃないか。また、終章でも星奏が手紙だけ残して蒸発した展開も星奏の年齢を考えるとちょっとなあと思ってしまう。既に成人しているんだから幾らでもやりようは有った筈。口約束とはいえ、主人公との約束も反故にしてしまった点も頂けない。まあ、この辺は星奏が未だに大人になりきれていない精神の未熟さを表現したとも受け止められるけど。ここまで書きましたが、終章終盤の主人公の働きには目を見張るものがあったし、演出の使い方も上手かったので終章も含めて星奏ルート自体はそこまで悪いものじゃなかったという感じだった。少なくともやって後悔ということはない。一方で星奏以外の3人のルートですが、こちらはキャラゲー・雰囲気ゲーとして見れば悪くはない出来。シナリオ自体はやや平坦で特に大きな出来事が起こる訳ではないですが、キャラの魅力を損なわずに書ききったのは評価したい。特に彩音ルートは彩音の可愛い部分まで含めて彩音の魅力的な部分を余すこと無く書いてたし、最後は如何にも青春という感じで綺麗に終われていたので3人の中では一番シナリオが良かったですね。
キャラについて。星奏については上で散々書いたので割愛。キャラとして一番良かったのは彩音かな。主人公に対する直向きなまでの健気さが気に入ったし、告白シーンや最後のシーンが丁度対比になっていて最高でしたね。主人公と恋人同士になった後の笑顔もまた可愛くてプレイして良かったなと思えた瞬間でした。また、ゆいも遠野そよぎボイスによるロリ声と可憐さがまた良かったですね。実を言うと、ゆいが涙ぐんでるシーンでドキッとしたんですよね。あのシーンは反則的に可愛かった。
絵について。こちらもまた高水準。複数原画で有りながらもあまり違和感を覚えず、それでいてそれぞれの絵師の個性はしっかりと出ているという正に理想的な絵師の使い方。塗りも凄く合っていて好みですね。後は背景の気合の入れようにも感心しました。特に部室の背景とかよくあそこまで描き込めたなと思いながらやってましたね。
エロシーンについて。CGは塗りも合っていて割とエロい感じ。シチュもそこそこ揃っているかな。個人的にはボイスの方が気になってしまってあまり抜けませんでしたが。
音楽について。BGMは高水準の曲ばかり。少なくともこれらのBGMが聴けただけでもやった価値は有りましたね。個人的に特に良かったのが、風の迷い路、手をつないだら。、After the rain、僕らが友達だった時代辺りか。また、ボーカル曲も良い曲ばかりで最高ですね。特にyuikoさんの曲はお気に入り。やっぱり、yuikoさんとMeis Clausonのprimaryコンビは最高だわ。
システム・演出について。システム面ではバックログジャンプが無いのが不満点。演出の方では終章での演出は上でも書いているように中々良い感じでした。
総合的に見ると、何だかんだで楽しめたのかな。後、ここで書きますが、ボイスの音質が悪かったのは頂けない。所々歪んでたりノイズが乗ってたりするせいでモチベが落ちていった。BGMの方はまともだったせいで余計に酷く見える。もし次回作が有るならここは要改善の部分。色々な意味で粗は有ったものの言われているほど悪くはない出来だと思いましたね。