フラテルニテのレビュー。
各10段階評価
シナリオ…7
キャラクター…7
絵…8
エロ…7
音楽…7
システム・演出…8
総評…7
【感想】
まず、シナリオについて。ある意味、euhpria以上に鬱というか救いのない展開だった感じですね。ハッピーエンドというのが基本的に存在せず、どのエンドでも後味の悪い終わり方でした。新興宗教を話のメインテーマに据えたようですが、正直言うと現実味が有り過ぎて気持ち悪いくらいでしたね。特に美桜や円夏がクラブに洗脳されていく過程はヤバいなと思ったくらい。まあ、他のエロゲではまずやらないような企画を実現させたという点は評価しますが、どうも企画にシナリオが追い付いていない気がしましたね。本当はもっと壮大になる筈だったけどやむを得ず途中で打ち切った感じがするというか、全体的に中途半端な感じです。個人的にも同じスタッフのeuphoriaの方が遥かに良かったと思っています。euphoriaの場合、展開が二転三転して飽きなかったのと最後は希望を見出すような終わり方で割とカタルシスも有ったので印象に残ったのですが、これの場合はただただ鬱展開が続くだけで事態が好転する訳でもなく最後もあのような締めで胸糞悪いだけでした。せめて、何かカタルシスを得られるような展開が欲しかったですね。鬱展開は割と好きな方ですが、延々と続いたせいで途中で飽きてしまった。
キャラについて。正直、頭のおかしいキャラばっかりでどう評価したものかと思う。まあ、主人公は割とまともな感じで最後まで理性で抗ってヒロインをクラブから救おうとしていたから好感は持てましたね。また、愛も実質的にラスボスと言ってもいい位のキャラでしたが、最後の結末の所で何か許せるようになったというか。後は円夏も個人的に好みのキャラだったんですが、クラブに完全に洗脳されてからはちょっとついていけなくなりましたね。
絵について。最初はてっきりはましまが単独で全て担当しているのかと思っていましたが、スタッフロールを見るとどうやら複数のスタッフが原画の作業にも関わっている模様。明らかにはましまっぽくないCGが有ったから変だなと思ってたけど、こういう事だったのね。はましまだけじゃ間に合わないから急遽他のスタッフにもやらせたんだろうけど、正直こういうのは萎えますね。
エロシーンについて。流石にeuphoriaよりもエロシーンに力入れているだろうと思っていたけど、個人的にはeuphoriaの方がまだ抜けるシーンは多かったですね。ていうか、クラブに洗脳されているせいで和姦みたいになってるシーンが多すぎ。特に姉のシーンとか酷いものだった。姉のマジキチっぷりとも合わせて抜けるシーンが一度もなかった。逆に抜けたシーンは会長と円夏のそれぞれ最初の3シーンくらいですね。この辺りはクラブに調教されている感じが滲み出ていて結構抜けました。後はイジメっ子3人のシーンくらいか。後、グロシーンは言うほどグロくなかった。というか、あれはグロと言っていいのかと思う。ぶっちゃけ、血が出ているだけのようなものだし。
音楽について。BGMはそこそこ。主題歌の仰げば尊しは卒業式等でもよく使われている定番ですが、これやると全く別の意味に聞こえるから困る。いざさらばが今生の別れを意味しているとしか思えなくなる。
システム・演出について。相変わらず使いやすいシステムなんですが、今回はちょっとバグが多かったですね。アップデートでマシにはなったけど、まだ直ってない箇所が有るし。やっぱり、修羅場でまともにデバッグする時間もなかったんだろうかと思ってしまう。
今回はちょっと鬱方向に振り切りすぎな気はしますね。改めて考えるとeuphoriaって奇跡的なバランスで成り立ってたんだなと思います。