箱庭ロジックのレビュー。
各10段階評価
シナリオ…7
キャラクター…8
絵…8
エロ…6
音楽…8
システム・演出…7
総評…7
【感想】
まず、シナリオから。個人的には過去作の翠の海やキミへ贈る、ソラの花と比べるとどうしても見劣りするなと思います。翠の海は閉鎖物として雰囲気はよく出てたし、キミソラも切ない物語として印象に残りましたが、今回はそれ程惹かれる所は無かった。今回はミステリーとの事ですが、ミステリーというには少し雰囲気が軽い感じ。まあ、翠の海の時もサスペンスを謳いながら言う程サスペンスじゃなかったですが。今回やってて思ったんですが、全体的にぶつ切り感が強いというか。途中で鍵認証が有ったり箱庭の裏庭を挟んだりするからシナリオにあまり集中できなかったですね。鍵認証は仕方ないにしても、箱庭の裏庭はED限定にして欲しかった。シナリオを進めている途中でいきなり雰囲気が変わるから戸惑う。せめてED後ならまだおまけとして割り切れたんだけど。後は日常シーンも今一でした。特に神伐とのやり取りはつまらないので本気でスキップしようかと考えたほど。一方でシリアスなシーンは割と雰囲気も出ていて良かったと思います。特にあるバッドエンドは翠の海を思い出すくらいに強烈で印象に残りました。個別ルートは全体的によく纏まっていたと思います。個人的に良かったのは霧架ルートとりるルートかな。特にりるルートなんかはエロシーン一切なかったけど、りるを主人公や周りのキャラが支える展開が良くて印象に残った。
キャラについて。相変わらずキャラを活かすのは上手い。特にヒロインの魅力は上手く引き出せていたと思います。個人的に気に入ったのは霧架かな。個別ルート入った後の狼狽えっぷり等が印象的で可愛かったです。
絵について。相変わらずゆき恵さんの絵は可愛くて良いね。今回はサブに新しい原画を迎え入れたようですが、親和性が高く上手く統一感が取れているね。個人的にこの原画さんも好みなのでまたやって欲しいですね。
エロシーンについて。これも相変わらずというか。あまり色気を感じないテキストであっさりと終わるため、翠の海の頃からあまり進歩してないな―と感じました。正直、女性ライターと言えどももう少しこの部分は改善すべきじゃないか。
音楽について。やっぱり、MANYOの作るBGMは良いな。一番気に入ったのは箱庭の鍵ですが、よく聴いてみるとキミソラと翠の海を思い起こすようなBGMもあって面白いなと思いました。また、ボーカル曲はOPの箱庭ロジックが個人的にスルメ。最初はミスマッチで微妙だなと思ってたけど、何度も聴いてるとこれはこれで有りだなと思うようになりました。ED曲の君の箱庭も曲調は明るくて歌詞は暖かい感じで聴いていて心に残りました。
システム・演出について。これも相変わらずというか。ここの系列はシステムあんまり変えないね。
総合的には良かったものの微妙な部分も多かったという感じですね。ここまでCabbitの作品全てやりましたが、やはりライターの御厨みくりさんは翠の海みたいな雰囲気作りが活かせる作品のほうが合ってるんじゃないかと思います。正直、作中の雰囲気自体は結構好みなのでまた閉鎖物で書いて欲しいですね。