エロゲ雑記帳

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各10段階評価
シナリオ…10
キャラクター…10
絵…8
エロ…8
音楽…9
システム・演出…8
総評…10

【感想】
非常に面白かったです。エロゲでもここまで作りこまれている作品はあまり無いんじゃないかと思います。シナリオ構成や伏線の張り巡らし方、回収の仕方が上手く、最後までのめり込んでしまいました。特に、同じようなシナリオでも視点を変えることによって新たな部分が出てくるのは正直言って凄いと思いました。後、このゲームは結構哲学的な要素が強いですね。作中、シラノの言葉が何度も出てくるし、それ以外でも様々な哲学者の名前が出てきたりとか。
シナリオは序章が夢（？）で一章から三章までが鬱電波展開、四章から六章までが熱血ヒーローとそれを見守る妹の物語って感じですね。ぶっちゃけ、三章から四章に行く時にあまりの展開の違いに少々戸惑ったこともありました。一章から三章までが鬱電波展開ですが、特に三章は一番きつかった。これまで様々なゲームをやってきて、鬱耐性が付いたつもりでいましたが、三章でざくろがレイプされた後に壊れて行く過程は本気で鬱になりそうだった。自分自身、過去にいじめを受けていた経験があるのでざくろの気持ちが痛いほどに分かってしまって見てられなかった。ざくろの性格や心理描写とかもこれまた上手いから余計に鬱っぷりに拍車がかかった感じがした。四章から六章は悠木による熱血ヒーローの物語って感じかな。四章に行くまではまさかここまで悠木が熱血キャラだとは思ってなかったんだけど、お陰で作中で一番のめり込んだキャラになった。この辺は悠木と羽咲による絆が結構良かったかな。
このゲームは結構謎解きの要素とかもあって、プレイ中はよく考えながらやっていたんですが、それでも分からないことが幾つか。まず、序章は由岐が見ていた夢ということみたいですが、どの由岐が見ていた夢なのかがよく分からない事。間宮に元々宿っていた由岐の人格が見ていた夢なのか、それとも間宮によって新しく作り出された新・由岐の人格が見ていた夢なのか本編で明確に語られていないからどっちか分からん。大体、元々の由岐が見ていた夢なら若槻姉妹が出てこない筈なんだが、状況的に考えて元々の由岐が見ていた夢とも考えられるので余計にややこしい。それから、卓司の人格が間宮に宿った後、何で間宮の人格があそこまでオタで虚弱体質になったのかという事。JabberwockyIIを見る限り、元々の卓司の人格は救世主化した間宮とほぼ同一と言っていいのだが、救世主化する前の間宮の人格は元々の間宮の人格でも卓司の人格でも無いから判断に困る。まあ、卓司の人格が間宮に乗り移るときに元々の間宮の人格が抵抗して今の形になったんだとは思いますが。後、彩名は何者なんですかね。彩名自体は「全にして一、一にして全」みたいな事を言っていたから世界そのもの、もしくは世界全体を見渡せる者なのかなと思いますが。まあ、少なくとも人間じゃないのは確かですね。他にもありますが、大きく疑問に思ったのはこの三つかな。まあ、プレイ中は推理しながらやってたんで、結構楽しかったですが。
キャラも結構良く書かれていて良かったです。どのキャラも心理描写とかがしっかりと書かれているので飽きること無く最後までプレイできました。特にざくろは一番書き方が上手いなと思いました。ざくろの元々の明るい人格からいじめ等によって徐々に暗くなっていくのは辛かった。三章でハッピーエンドとか見てるともう本当に泣きそうになったわ。ざくろには本当に幸せになってほしいと思った。
絵は結構雰囲気に合っていて良いんじゃないかと思います。割と萌え系な感じがしますが、こういう雰囲気のゲームでも結構いけますね。
エロシーンは百合は勿論の事、レイプやオナニー、ふたなり、女装、妄想、薬漬け、獣姦とやりたい放題やってますね。特に薬漬けとかはよくソフ倫の審査をくぐり抜けたなって感じがしました。全体的に百合含めての和姦要素よりも陵辱要素の方が強めな感じがしますね。エロシーンも結構きついシーンがあったりしますが、既に色々と耐性が付いているので女装シーン以外は特に抵抗もなく受け入れられました。まあ、女装シーンだけは受け付けなかったというか、あのシーンは何処が良いのかよく分からなかったが。個人的にエロいと思ったのは希美香のオナニーとざくろが薬漬けでオナニーしている所ですね。この二つのシーンだけでも結構抜けそうです。
音楽も結構レベルが高いですね。ゲームの雰囲気に合っていて、尚且つ印象に残るような曲が多かった。特に狂気を演出するような時の曲の使い方は上手いと思いました。ボーカル曲も結構多いですね。個人的にはこんなに必要あるのかと思ってしまいますが、どの曲も出来が良いですね。特にOP曲の「空気力学少女と少年の詩」は特にギターのノリが良く、何度も繰り返し聴いてしまいました。これだけBGMやボーカル曲の出来が良いのだからケロQもサントラ出せばいいと思うのだがね。というか、出して欲しいです。
システムはあまり使い辛いとは思わなかったですね。そこそこ使える感じ。演出も鬱電波っぷりを現すのに中々良かったとは思います。
総合的に見てみると、極めて完成度が高いですね。これまで様々なエロゲをやってきましたが、ここまでのめり込んだのは数えられるほど。ゲームの内容は極めて独特ですが、それ故に出来が凄くいいと思ってしまいます。素晴らしき日々っていうタイトルも奥が深いね。ゲームやった後だとかなり印象深いタイトルだと思わせられる。