月陽炎 ~つきかげろう~のレビュー。
各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…7
エロ…6
音楽…7
システム・演出…5
総評…8
【感想】
伝奇ゲーとしてもよく出来ている作品だったと思います。
伏線の表現とかは結構上手いですね。さり気ない事でも実は重要な伏線だったというのが後から分かって結構驚いた。特に美月がやたら大食いだったり、よく寝ていたりする所は完全によくある日常の一コマだと思っていたし。後半、真が登場する辺りからはやや駆け足に感じましたが、エンドは割と綺麗に纏まっていたと思います。伝奇的な描写も割とあって、伝奇好きの自分としても結構満足でした。
しかし、この物語って結構救われないですね。メインの柚鈴と美月ルートに関しても、ハッピーエンドでも一哉さんと葉桐さんが亡くなっている訳で。鈴香ルートなんか、主人公と鈴香以外は全員死亡という形で終わっているし。全ては葉桐さんと美月が堕ち神の一族の末裔だった事によって物語の悲劇が起こったわけだが、誰も悪い存在では無かったという所がまた物語の悲しいところですね。真にしても結局は主人公の言うとおり、哀れで救われない存在だったし。
キャラに関しては、結構魅力的なキャラが多かったですが特に柚鈴が良かったです。柚鈴が主人公に懐いていくのと同時に健気な所を見せ始めるのが良いですね。特に美月ルートの手紙エンドの最後で柚鈴の手紙が流れる所はかなり印象的でした。あの手紙の所で柚鈴がどれだけ家族や主人公の事を想っているかが良く分かって、かなり胸に来たし、それでより柚鈴に惹かれました。
絵に関しては、割と雰囲気に合っていて良かったと思います。しかし、今の仁村絵と比べると随分とロリロリな感じですね。このゲーム、何気に巨乳キャラって一人もいないし。
エロシーンは基本和姦中心ですが、美月と葉桐に陵辱的な要素が入っていますね。まあ、美月の陵辱とかは割とエロかったから陵辱要素に関しては別に問題はありませんが。エロシーンそのものに関しては割と描写が短かったのがやや不満と言った所か。後、神社の賽銭箱の上とか台所で料理している最中にセックスしてしまうのは流石にどうかと思った。幾ら何でも場所を選ばなさすぎるだろうとプレイしている最中に思ってしまった。
音楽に関しては結構良いですね。場面場面合った曲が多くて割と印象的でした。特に主題歌の「月陽炎」は良いですね。最初のシナリオを見る為に何度も聴いていたのでかなり印象に残っています。月陽炎というゲームそのものの雰囲気を表している感じがしますね。
システム・演出に関してはやや古臭い部分が目立ちました。特にシステムは結構使いづらかったです。バックログで音声が再生出来ない所や、オート機能が無かったり、セーブ箇所が20しか無かったりと色々と不便でした。まあ、当時はこれが普通だったんでしょうが、今時のエロゲのシステムに慣れている身からしたら中々にきつかった。
総合的に見ると、結構良く出来ている作品ですね。こういう作品の雰囲気って結構大好きだったりします。これは各地で評価が高いのも頷けますね。
テーマ:18禁・美少女ゲーム -
ジャンル:アダルト