幻想のアヴァタールのレビュー。
各10段階評価
シナリオ…9
キャラクター…9
絵…7
エロ…5
音楽…8
システム・演出…6
総評…9
【感想】
シナリオはかなり良かった。何と言うか伏線回収が凄いね。プレイ時間30時間とかなり長いのでいくつかの伏線は回収されていませんが物語に関係するような伏線は結構細かい所まで回収されていました。敢えて情報を断片的に出して想像を膨らませ、そう来るかと思わせるような回収は実に見事と言っていいでしょう。ここまで見事な伏線回収はエロゲでも中々見かけないですね。それから、この作品は現代和風伝奇ビジュアルノベルとされていますが、伝奇部分も見事なものだった。紅葉伝説を土台としていますがかなりオリジナル要素が多く、結構本格的でかなり満足できました。まさか邪馬台国の九州起源説と紅葉伝説とを繋げるとは思いもしませんでしたが、お陰で本編がより楽しめたと思います。純和風の本格的な伝奇物という事で興味を持って買ったんですが、ここまで本格的だったのは
ヒトカタノオウをプレイしたとき以来かもしれません。後、当然の事ながら戦闘シーンもありますがこれがまた良かった。完全なワンサイドゲームじゃなくて状況によってパワーバランスが変化するので読んでてハラハラしました。何度も主人公側が絶望的な状況に陥ったりするので、そういう意味では戦闘描写も上手いと思わせられますね。
キャラは個性的なキャラばかりで良かったですね。殆どのキャラに何らかの役割があって活躍するべき所はちゃんと活躍していたのがこれまた良かった。これだけキャラが多いとちゃんとした役割を与えられずに最後までキャラを活かしきれないまま終わる作品も少なくないんですが、この作品ではちゃんと全てのキャラの配分が考えられている感じがしますね。個人的に良かったのはアカとギンさんですかね。アカは主人公等に軽口を叩きつつも作中で成長していっているのが良かった。やっぱり、こういう愛嬌のあるキャラって良いですね。出来ればアカと主人公が結ばれるシーンも見たかったですが、そうすると物語が破綻してしまうので願望だけに留めておきます。次にギンさんですが、ギンさんには妖仙化した姿にやられてしまいました。妖仙化する前とは考えられない程のあのムチムチした姿は反則だろう。お陰でギンさんが気に入ってしまったではないか。メインヒロインの楠姫もシリアスなシーンでは主人公の支えになったり可愛い一面を見せたりもするんですが、どうにも普段の主人公に暴力を振るってる姿がなあ。これさえ無ければ良かったのだが。ちょっと事有る事に暴力振るいすぎなんじゃないかと思った。
絵柄は割と同人臭さがありますが、結構気合が入っている感じがした。何せCGの枚数がかなり多い。CGモードで見た感じ、パッケージに書かれているCG200枚超もあながち嘘ではないと思いました。CGの枚数が多いので場面毎の様子が分かりやすかったし。
エロシーンは万葉子と楠姫を合わせて3シーンぐらいですかね。正直、エロゲと比較するとここの部分は劣りますね。音声も無いからエロさも減ってる感じがするし。ただ、エロシーンは結構CGが多かったのが良かった。一度のエロシーンに過剰じゃないかと思うくらいのCGを使ってますがお陰で状況が分かりやすかった。
音楽もかなり良かった。BGMだけでも何十曲とかなり多いです。音質も結構高くて良いですね。鮮明で生々しいし。
システム・演出はまあ普通かなと。吉里吉里だからそんなに使い辛いって事は無かったし。
総合的にはかなり満足出来た作品と言った所ですね。特にシナリオと音楽面では本当に同人かと思うくらいに気合いが入っています。ぶっちゃけ、ここまで完成度の高いものは商業エロゲでも年に数作有るか無いかと言った具合。伝奇物という事で惹かれて買ったんですが、いやはや大幅に期待を上回ってくれました。
テーマ:18禁・美少女ゲーム -
ジャンル:アダルト