猫撫ディストーションのレビュー。
各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…7
エロ…6
音楽…10
システム・演出…7
総評…8
【感想】
何と言うか、家族というものを今一度考えさせられる作品ですね。
シナリオは結構難解でした。哲学とか量子力学とかにはあまり造詣が深くないんで意味が分からない箇所も結構ありました。特に式子ルートは最初にやったのもあってか、展開に置いてけぼりをくらった感じになった。まあ、後でやったルートから徐々に分かるようになってきてようやく理解が及ぶようになりましたが。結局、本編で主人公達が居た世界って並行世界の親父が創りだした仮想現実の世界って事ですかね?仮想現実の世界で不安定だからこそ歪みが発生して本編のような状況になったという解釈をしたんですが。まあ、合ってるかどうかは置いておいても、これも一つの世界の物語として見れば中々良い感じの出来と言った所ですね。普段あまり気にしていなかった家族という一つのコミュニティーを題材にし、それを纏め上げた作品というのはかなり珍しいので結構新鮮な気分でプレイ出来ました。例え家族であったとしても見方一つ変えるだけで新たな発見が生まれ、より魅力的な部分に気づくというのも良いですね。そういう意味では、式子と柚で対極のシナリオを描き、結衣で永遠を、ギズモで家族の意味をテーマにして、琴子で全てを纏めるという本編の構図は良く出来ていたと思います。個人的にはギズモルートで出てきた、家族とは時間というのが面白い解釈だった。家族とは時間を共有する関係だというのは今まで考えたことがなかったので、この解釈は思いつかなかったし。
キャラは全員共にそれぞれ立っている部分があって良かったと思う。七枷家以外のキャラが極端に少ないのはこれが七枷家の物語だからという事で納得できるし。この作品で一番好みになったキャラといえば、やはり琴子ですね。流石に最後の琴子ルートのシナリオにやられました。あのルートに琴子の魅力が全部詰まっているといっても過言ではない位です。あの展開で琴子を気に居るなという方が無理な話でしょう。本当に琴子は良く出来た妹キャラだよ。
絵に関しては、三人の絵師が居ますが、三者三様に癖が強くて統一感が有るのか無いのか分からない。まあ、三人ともそんなに悪くはないと思うんですが。
エロシーンに関しては、尺は結構長いものの、エロシーンの描写は薄いなと感じた。一度エロシーンが終わった直後にエロシーンが始まるルートが多く、全てのエロシーンが終わる頃には結構時間が経っている事も多かった。後、青姦多いね。全ヒロイン中、一度も青姦をしなかったのって柚とギズモ位じゃないかと思う。
音楽面に関しては、とにかく素晴らしいとしか言い様がない。BGMは全て生録と、今までのエロゲを見渡しても滅多に無いであろう構成ですが、これがやばい位に良かった。この作品はSTAXでやってましたが、とにかく響きが美しい。各楽器が奏でる響きの良さは打ち込み音源では絶対に出せないですね。やはり生録だと曲の印象もかなり違うし、作品自体の雰囲気も大分違って見えます。これが打ち込みだったらこんな雰囲気は出せなかっただろうと思います。プレイ中はずっと聴き入っている時間も多かったんですが、それ位に気に入りました。一方、ボーカル曲ですが、主題歌とED曲はどちらも良い曲ですね。主題歌は最初、曲調的に作品の雰囲気に合わないかなと思ってたんですが、全クリした後ではこれ以外に考えられなくなりました。
システム・演出についてはまあ、それなりだったかなと思います。
BGMが全曲生録だっただけでも買った価値はありますが、シナリオ面でも満足できました。最近では、こういった考えさせられるエロゲが貴重なだけにかなり価値は高いですね。しかし、生録のBGMは本当に素晴らしいな。他のメーカーも見習って欲しいものだ。
テーマ:18禁・美少女ゲーム -
ジャンル:アダルト