エロゲ雑記帳

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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…8
エロ…7
音楽…10
システム・演出…9
総評…8

【感想】
シナリオについてはただ一言、勿体無いとしか言い様がありません。シリアスな世界観だけあって、雰囲気も良く出ていたのですが、やはり最後の詰めが甘いなと感じる。最終章の急展開ぶりは正にそれだった。特に牢獄全体がいきなり武装蜂起してからの展開は強引なのではと思う。最後の結末を書きたいがためにああいう展開にしたとしか思えない。これなら、前の章の政変の方がよっぽど分かりやすいし、盛り上がっていたようにも思えてくる。まあでも、作品全体としては悪くはなかったし、こういう世界観は結構好みです。事実、最終章まではそれなりに楽しめましたし。各ヒロインのシナリオについては、最初は短いなと思いましたが、章全体が各ヒロインの個別シナリオだと考えればそれなりの長さになっている。
キャラについては、それなりにまともなキャラとウザいキャラに分かれる感じ。まず、主人公については、やっぱり最終章でウダウダ悩んでいたのがマイナスですね。これまでの章で各ヒロインを引っ張ってきたのは何だったんだって思えてくるし、覚悟を決めて行動に移るのが遅すぎ。次に各ヒロインですが、ティアやフィオネ、リシア辺りはそれなりに良かった。逆にエリスとコレットはウザかったですね。この二人は自分本位な所があるんであまり好きにはなれなかった。まあ、コレットはラヴィと姉妹のような関係戻ってからは可愛げがあったんですが。後、サブキャラは割と良かったキャラが多い。特にメルトが気に入っていただけに、途中で居なくなってしまったのが非常に惜しい。
絵については、まず塗りが非常に綺麗なのが目につきますね。フルスクにしても粗が殆ど目立たないし。原画はまあ、所謂判子絵ですが、嫌味にならない絵柄で良いんじゃないかと思います。後、背景等もしっかりと描き込まれていて好感が持てる。
エロシーンついては、おまけも含めてコレット以外は各4シーンずつで尺もそれなり。エロさについては割と良い感じで悪くはないですね。意外だったのはラヴィや娼婦の3人組にもシーンがあった事ですね。サブキャラにもエロシーンがあるのなら、メルトにもシーンが欲しかった所。そこだけが惜しいと思った。
音楽面については、素晴らしいとしか言い様が無い。透明感が高く、響きが美しいBGMは何度聴いても飽きないですね。この作品の音質はかなり高いと感じます。これまでやってきた中で最高音質だったレコンキスタに勝るとも劣らないですね。BGMは雰囲気に合わせてシリアスな曲ばかりですが、かなり印象に残る曲が多かった。この作品の雰囲気作りに一役買っている感じがかなりした。後、4曲あるボーカル曲はどれも神秘的でかなり良かったかと。
システム・演出については、かなり細かい所まで凝っているなと感じました。特にシステムはここまでするのかってくらいに細かい部分まで調整できるようになっていて、痒い所に手が届く位。この作品をやる上でかなり便利で使いやすかった。
総評としては、惜しい所はあるがそれなりに楽しめた作品といった所ですか。やはり、最後さえしっかりとしていれば少なくとも良作位にはなったんじゃないかと思える。まあ、今回始めて八月作品に手を出したわけですが、やってみた感じ悪くはなかったので、次作以降もこういう雰囲気の作品を出すなら引き続き買ってみてもいいかなとは思えた。