天使の羽根を踏まないでっのレビュー。
各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…8
エロ…4
音楽…9
システム・演出…8
総評…8
【感想】
シナリオについて。まず、太陽の学園と月の学園とでかなりシナリオの傾向が違いますね。太陽の学園は正に王道的な展開で、普通の女学園物としても楽しめました。正直、この時点で思いの外面白くて話を進めていたので、太陽の学園が終わる頃には朱門が書いている事をすっかりと忘れてました。次に月の学園ですが、本当に太陽の学園とは真逆で最初は驚きました。陰湿で暗い雰囲気、おまけに魔術と朱門ワールド全開ですね。月の学園やってて、やっぱり朱門が書いてるなと再認識した。全体を通した感じ、今作では随分と読みやすくなっているような感じがします。今までの朱門作品は難解な所も割とあったんですが、今作ではそれがあまり無かったですね。作中で設定語りをする所は相変わらずですが、最後はしっかりと纏めている所は良かったかな。一通りやってみましたが、個人的には羽音ルートが一番面白かったですね。全ルート中、一番緊迫した感じが伝わってきたし、割と燃える展開もあった。魔術を得て無双状態になる羽音とか熱かったし、トロッケンハイトと対峙するあやめも良かったし、最後の魔術外との戦いも印象深かった。やはりメインとだけあって一番力を入れている感じがした。その他、グランドルートで今までのヒロインが一同に集うシーンなんかも印象に残ったな。やっぱり最後のルートって感じが一番したし。しかし、終わってみると何時の間にか太陽の学園の印象が薄くなってるな。まあ、構成上どうしても月の学園がメインになるから仕方ないとは思うんですが。
キャラについて。まず主人公のあやめについてですが、女学園物の主人公としてはよく出来ていたと思います。派手な活躍とかはあまりしなかった感じですが、動くべき所ではしっかりと動いていたので好感が持てました。最初は常に敬語口調なのが気になってましたが、割とあやめのキャラが良かったので次第に気にならなくなってきました。ヒロイン勢もそれぞれ個性があって上手く差別化されてて良かったですね。個人的に特に良かったのが羽音。羽音ルートでの想いの強さに胸を打たれた。
絵について。今作で初めて蛇足せんたろうさんの絵に触れたのですが、意外と良い感じでした。作品の雰囲気ともよく合ってますね。SDのヨダ絵もシュールさがよく出てて良かった。
エロシーンについて。分かってはいましたが、やっぱり薄いですね。会話主体でエロさが全然ない。まあ、シーン数は割りと多かったし、これでも頑張った方ではないかと思いますが。ただ、鷹司姉のシーンだけは割とエロかった。あのシチュがかなり好みなのもあるけど、あそこだけ割とエロい感じだった。
音楽について。本当に樋口さんは良い仕事をしてくれますね。BGMとか雰囲気に合ってて凄く良い感じ。印象に残る曲も多かった。女学園ものだからまったりとした曲調が多いかと思いきや、戦闘で使うような激しい曲調も結構有りますね。OPやED曲はWHITE-LIPSの曲ですが、どちらも好みの曲でした。
システム・演出について。演出は結構凝ってる感じがしました。特に魔方陣とか立体的に見せてた感じだったし。
総合的には満足といった所。以前のようなクドさが減ってより朱門ワールドが堪能できた点は良かった。