キミへ贈る、ソラの花のレビュー。
各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…9
絵…8
エロ…6
音楽…10
システム・演出…8
総評…8
【感想】
まず、シナリオについて。前作の翠の海と同様、各ヒロインの心の機微や内面描写が上手かったのが一番印象的でした。この辺りはやはり女性ライターだからでしょうかね。描写が丁寧で雰囲気も良く、テキストも割と読みやすいので好感が持てます。各ルートの総評だと、やはりまつりや雪花といった幽霊組のシナリオが良かったですね。最後にやり残した事を全て終えて成仏していく場面なんかは結構感動的で実際にウルッときてしまいました。こういうシナリオは有りがちと言えば有りがちなんですが、それでも感動せずにはいられなかった。やはりヒロインの内面描写が上手いからかそのまま感情移入してしまう事も多々有りました。その他、奏菜ルートも色々と考えさせられるシナリオでした。一方で雛菊や杏はシナリオ的にそれ程深くはなく、どちらかと言うとキャラ萌えに重点を当てていた感じですね。先の三人と比べるとそれ程シリアスな展開では無かったし。後、バッドエンドも有りましたが、こちらもヒロインが狂っていく描写が凄く生々しくて結構後味が悪かった。
キャラについて。上記にも書いた通り、心の機微や内面描写が上手いので個性的で魅力のあるキャラが多かった。皆可愛くて気に入ったキャラも多かったです。特に良かったのはまつりと雛菊ですね。まつりはとにかく個別ルートが良かったのが気に入った要因。生前のまつりも可愛くて良かった。雛菊は個別ルートでのギャップが最高でした。資料室の所で弱気になって泣いて主人公に抱きつく場面が良かったし、二人でデートしている場面や雛菊が料理する場面でも一々反応が可愛すぎてやばかった。後、由梨さんは立ち位置的に攻略出来ても良さそうだっただけに、攻略出来ないのが惜しかったですね。まあ、3Pとはいえエロシーンが有っただけでも良かったんですが、どうせなら攻略したかった。
絵について。前作と違い、今回はSD以外はゆき恵さんの単独原画なので統一感があって良かった。こうして見てるとゆき恵さんの絵も可愛くて良いですね。前作と比較するとやや塗りが明るくなっていますが、雰囲気的にも良く合っていたと思います。
エロシーンについて。前作から努力してきたのか、今回はそれなりにエロくはなっていた印象。とはいえ、描写が一々丁寧な所為か抜ける程エロくはなかったかな。描写が丁寧なのがこのライターの魅力ですが、ことエロシーンにおいては弱点のような気もします。
音楽について。やはりBGMは前作同様、最高での出来でした。特にバイオリンを使った曲が良かったです。個人的に気に入った曲は、広い空の下でですね。公式でも流れていますが、ここ最近では一番お気に入りの曲で何回聴いても飽きず、聴いているだけでも心が落ち着く。また、ボーカル曲も両曲共にお気に入りです。OPのキボウのソラは聴いているだけで元気が湧いてきますし、EDのハナのオトは柳麻美さんのボーカルが素晴らしく、何回も聴きたくなる。
システム・演出について。この辺は前作とあまり変わらないかな。
総合的には結構良かったかと思います。前作の翠の海と今回のキミソラと、かなり良かったのでここのメーカーがすっかりと気に入ってしまった。ここのメーカーにはこれからもこういった作品を出して着実に伸ばしていって欲しいですね。