できない私が、くり返す。のレビュー。
各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…8
エロ…7
音楽…9
システム・演出…8
総評…8
【感想】
まず、シナリオについて。個人的に楽しめたのは詩乃と藍里ルートですね。特に詩乃ルートはライターが一番書きたかったルートと公言しているだけあってかなり力が入ってましたね。完結篇ともいえるRe:Callまで有ったくらいだし。詩乃ルートは個人的にも色々と印象に残るルートでした。特に2周目の最後で詩乃から突き放された時はトラウマになりそうなくらいに胸に来たし、3周目のRe:Callで有り得ない筈の未来を詩乃が語った時は不覚にも泣きそうになった。最後は結局詩乃を救えなかったけど、主人公が前を向いて歩いてる感じで個人的には好みかな。下手にご都合主義に走らなかったのは評価したい。正直、詩乃ルートだけなら十分に名作と呼んでもいい出来だとは思う。まあ、タイムリープに関する設定とか大きな出来事が変わってないだけで結構変わってる所あるだろうとか突っ込みどころは有るんですが、それを差し引いてもここまで書けたのは大したもの。ぶっちゃけ、10年位前までならかなり評価されていたんじゃないかと思います。その他、藍里ルートは最後のバドミントンの試合が良かったですね。利き手が使えなくなっても何とか逆境を跳ね返そうとする藍里の姿勢が印象的でした。後はやもっさんこと由美子のキャラが良かったですね。正直、詩乃と藍里ルートだけでも元は取れた気分。逆に今一だったのは未喜ルートかな。未喜の兄の恋愛成就に大半が割かれたせいで肝心の未喜とのイベントが割を食っているのがちょっとね。未喜というキャラ自体は良かっただけに勿体なさ過ぎる。後はゆめルートですが、最終的に3Pになるのは事前にある程度予想出来ていましたが、主人公が時計を譲るイベントが無かったのはちょっと意外だった。漣以外では唯一時計のことを知ってたからてっきり譲渡するイベントがあるかと思ってたんだけど、ただ単に知り合うためだけの設定でしか無かったのは残念。
キャラについて。個人的に良かったのは詩乃と未喜、後はサブだけど漣と由美子かな。詩乃は上で書いた通り色々な意味で印象的なキャラでした。未喜は主人公と気軽に付き合える関係が良かったですね。漣はRe:Callから一気に気に入ってきて、Piece of Memoryで一気にやられたという感じですね。基本は大人な感じなんだけど、偶に歳相応に無邪気な部分が有るのが凄く良かった。後は由美子ですが、藍里と打ち解けていく過程が良かったですね。正直、由美子が攻略対象じゃないのが惜しいくらいです。
絵について。どちらも新人らしいですが、割と好みかな。
エロシーンについて。CGは割とエロいとは思うんですが、テキストが割とあっさりとした感じなので個人的にはエロシーンはちょっと微妙かなと思いました。まあ、その中でもゆめのシーンは割とエロかった感じですが。
音楽について。BGMは割と切ない感じの曲が多くて良かったですね。特に個人的に気に入ったのが主題歌のアレンジであるXX:Calling。正直、曲聴くだけで切なくて泣きそうになる。後はボーカル曲ですが、やはり主題歌のRe:Callが一番印象深かったですね。完結篇と同じ曲名で、一番が詩乃ルートで、二番以降がRe:Calllを指してて上手いなと思いました。特にサビの辺りとか全部終わった後に改めて聞くと切なすぎる。主人公の気持ちの変化が上手く表現されてるわ。
システム・演出について。演出面ではやはり詩乃ルートの最後のタイムリープが印象深かったですね。詩乃ルートのこれまでの展開を逆再生してバックで主題歌が流れる演出には鳥肌が立ちました。
総合的には思っていたよりかは面白かったかなという所。半分くらいサントラ目当てだったし、体験板時点で日常シーンが今一だったので当たれば儲けもんくらいの認識で買いましたが詩乃ルートだけでもやった価値はあった。