コミュ -黒い竜と優しい王国-のレビュー。
各10段階評価
シナリオ…9
キャラクター…8
絵…8
エロ…6
音楽…8
システム・演出…8
総評…9
【感想】
まず、シナリオについて。ここまで一気に読み進めたエロゲは最近ではあまり無かったですね。コミュという5人の集団とアバターという設定がまた上手いというか。アバターが倒されればそこに接続されてる5人もまた運命を共にするので戦闘シーンも緊張感があって最後まで目が離せませんでした。やはり戦闘シーンは死というリスクが付き纏う方が読み応えは有りますね。ただ単純に戦闘で勝つんじゃなくて不利な状況から戦術を駆使して勝利に持って行く所が有ったのもカタルシスがあって良かったですね。個別ルートは紅緒から始まり、密、真雪、アヤヤ、カゴメの順に進みますが、この内、密とカゴメがかなりシリアス色が強めなのに対して、アヤヤは結構明るい雰囲気で対照的でした。真雪もそこまで重い雰囲気では無かったし、真雪とアヤヤルートは小休止的な感じなのかな。そして最後のカゴメルートは伏線の張り方の上手さと終末感が凄く印象深く、正にこの作品の肝と言ってもいいくらい。コミュはシリアスなシーンが多くてそこが良く出来ていたのも確かですが日常シーンもそれなりに面白かったかな。紅緒の処女喪失の所とか伊沢が暁人をおぶさろうとして失敗する所とか伊沢の女装メイド(想像)とか普通に笑ったしw取り敢えず、シナリオ自体は良く出来ていたと思います。
キャラについて。一人一人別々の信念というか思想を持っているのは面白いなと思いました。時に思想の違いで対立したりするのもコミュの特性が垣間見れて良かったかな。コミュについては誰一人として無駄なキャラが存在しなかったのが特徴的というか。個人的には人間味の有る方が好みなんでコミュは正にドンピシャでしたね。後、個人的に気に入ったキャラは夜子かな。あそこまで主人に忠実でみてて見てて微笑ましいキャラもそう居ないんじゃないかと。それだけにカゴメルートの終盤は可哀想でしたね。
絵について。今から見ると若干古臭さを感じるものの、やはりさえき北都の絵は魅力的。最新作のハロレと比べると塗りが大きく変わったのが良く分かりますね。
エロシーンについて。密、ロンド、夜子は一回、他の各キャラは二回ずつって所か。回数的にはやはり三回以上は欲しい所。尺もそんなに長くないし、エロシーンは今一ですね。
音楽について。BGMは割と印象深い曲が多かった感じですね。特に戦闘シーンでかかる曲が良かった。ボーカル曲は6曲もあり、当時としては割と多い曲数。最近だと星織ユメミライで13曲とか出てきたからそんなに多いとは思わなくなった。個人的に気に入ったのだと内なる雨と竜たちノ夢辺りかな。他の曲は既に知っていたというのもあるけど。
システム・演出について。6年前の作品になりますが、割と使いやすい感じでした。この頃から既にシナリオセレクトが実装されているし、選択肢までスキップも出来て便利。後はバックログでジャンプ機能が実装されていれば言うこと無し。
総合的には正に大満足と言った所でしょうか。最近ではこういう独特の雰囲気を持った作品が少なくなってきているのもあって久しぶりにエロゲとしての面白さを堪能できた作品。コミュやってて思ったけど、シナリオ目的なら旧作を掘り起こしていくのも悪くはないかな。