エロゲ雑記帳

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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…8
絵…7
エロ…8
音楽…8
システム・演出…8
総評…8

【感想】
まず、シナリオについて。九尾なだけあってカードバトルがメインかと思ってたら予想以上にシナリオにも深みがあってのめり込めましたね。敵は浅賀、引いては裏で糸を引く冥極党外法七人衆による数々の策略や陰謀とそれに対抗する陣馬達東間の戦力という構図で全く先が読めなくて面白かった。敵をここまで強大な戦力に見せることが出来るって何気に凄いことだと思うんですよ。カードバトルの難易度が割と高かったのも有りますが、シナリオ上でも窮地に陥る状況の魅せ方が上手いというか。それでいて敵を弱体化させること無く地道に戦略の差で逆転しているのが殆どなのでカタルシスも得られました。天ツ風に関しては普通にADVとして見ても良く出来た作品で、シナリオゲーとしてもお薦めできる程ですね。とにかく話の盛り上げ方が上手く、燃えゲーとして捉えても良いくらい。
キャラについて。個人的には朱火が一番良かったかな。物語を通して一番成長したキャラなので最後は父である朱丸と同じような気持ちになった。いや、もう本当に撫でたくなるキャラだわ。紗代姫も割と好みでは有るけど、国主としてみた場合、幼き故の未熟さが出ていたのが気になったかな。正直、ヒロインだからこそ許されている感が有る。後は那爪は番の玉繭のシーンが主題歌補正もあって一番印象深いシーンだったし、女中姿も割とお気に入りだった。夕凪は自身のルートで母親らしい力強さを見せていたのが良かったかな。その他、敵キャラやサブキャラも魅力的だったし、全体的にキャラの魅せ方が上手かった感じ。
絵について。やっぱり、古い作品だからか所々に荒々しさが残ってるね。流石に今と比べると全然違いますが、何処と無く面影は有る感じですね。
エロシーンについて。純愛系のシーンから陵辱まで幅広く揃っていて、シチュも輪姦や触手も有りという事でエロシーンに関しては正に過不足無しって所ですかね。陵辱が有ったのは良かったんですが、個人的には敗北後の陵辱シーンがもう少し欲しかったですね。特に外法七人衆に関しては深鷺と破軍しか敗北後の陵辱シーンが無かったのでそこは不満点。出来れば道眼や業鬼も同じように陵辱シーンが欲しかった。折角良い能力持っているのに勿体なさすぎ。後は個人的に良かったシーンとしてはやはり姫様調教の所かな。あのシーンは背徳感も凄くてかなり抜けましたね。もたもたしていると調教が進んで後戻りできなくなっていくっていうのがまた最高ですね。
音楽について。BGMは50曲超えという異例の多さ。最近はVBシリーズでもBGM多くなってきましたが、既に天ツ風で50曲超えやっていたのだから驚く。中でも特に戦闘で使われる曲が多いですね。曲数多いためか場面毎に適切なBGMが使われているし、聞き飽きることもなかった。ボーカル曲は既にOPとEDはボーコレで聴いてますが、挿入歌が有ったのは意外だった。権利上の問題か何故かボーコレに収録されていなかったけど、本編で聴くと良い曲。
システム・演出について。何よりもまず驚くことは立ち絵を使った演出の巧妙さ。走る場面から攻撃する場面、更には倒れる場面と多岐に及ぶ立ち絵を用意して一つ一つ細かく調整することで戦闘シーンに臨場感を持たせているのは素直に凄いと思えた。今時の作品でもここまで凝った演出はあまり無い（強いて言うならE-mote搭載作品くらいか）。本編は2008年発売のようだけど、今見ても遜色ないというか。一目見ても相当手間暇かけているのがよく分かる。正直、この演出だけでもやった価値は有ったなと思ったくらいです。ただ、システムは古い作品ということもあって使いにくい部分も多かったかな。まあ、この時点でもシーンスキップが搭載されていたのは有り難かったですが。カードバトルに関してですが、結構難易度高かったですね。ノーマルでも終盤になると一つミスっただけでも致命傷になりうるから必死で敵側の手札を読んでました。基本はジャンケンなんで分かりやすいですが、どんどん奥義が追加されていってインフレが加速していくので段々と手札の読み合いになっていくのがこのシステムの短所でも有り、長所でも有るといった所か。まあ、結果的には楽しめましたが。
総合的に見ると、普通にハマったし大方は満足という所。立ち絵の演出とか類を見ない凝りようでしたが、今のナインテイルだとこのような演出はもう出来ないのかな？